あるところに、ネズミ色の猫がいました。
猫は普通の猫とはどこか違ってました。
どこが違う?
まず、その容姿、
声・・
そう、声です、猫の声は普通ではありませんでした。
女ながら、その声はまるで発情期のオスの声。
いつも、いつも、鳴いている・・
年がら年中鳴いていました。
それが真夜中であろうと。
家の人はその声にもうかなりうんざり・・
食傷気味だったのです。
ある日、猫は考えました。
私のこの心の叫びを誰かに聞いてもらいたい。
でも、周りを見渡しても誰もいないわ・・
あっ、そうだ、ツボを焼けばいいんだわ・・
私の叫びをツボに吐き出せばいいんだわ・・
その日から猫はセッセセッセと窯を作りだしました。
そして、とうとう窯は出来ました、
ネズミ色したその窯・・
作るツボも、もちろんネズミ色。
そして、ツボに向かい、思いっきり鳴いてみる。
あらら・・
なんて、スッキリするんざましょ!!
でも、こんな素敵な窯に、素敵なツボ、
私だけが1人占めするには惜しい・・わ。
猫はネズミ色したツボをたくさん作りました。
でも・・
何故か不人気、
売れない・・
ところで、
猫の隣町に、三毛色猫が住んでいました。
三毛色猫はとってもふっくらしていました。
世渡り上手、そして、何故か人気者。
三毛色猫も自分のツボを焼いてみたくなりました。
窯も作りました。
白、黒、茶色、
微妙な色合いのツボ、
そして、これがどうしたものか、モノスゴイ人気。
ツボはまたたくまに売り切れました。
このツボに話し掛けると、
声は麗しく、
モテモテの人生が送れるようになる、
そんな不思議なコトが起きるツボ。
ネズミ色した猫はひどくガッカリしました。
そして、今日も1人寂しくツボに向かうのです。
あ゛ぁ゛~~~、私の人生、何なんじゃ~~~~~ と。。
こんな猫もおったげな・・ ´。ー;
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猫のように気ままにふんわりほんわかと暮らしたい ・・ かなり気ままに・・
by sakura39-39
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